特集2 ―受験生はこんな教育を受けている!―小論文・面接では何を評価すべきか
看護師養成校の入学試験で問いたい能力とその問い方
西城 卓也
1,2
,
久保田 伊代
3
,
濵田 千枝美
4,5
,
藤江 里衣子
6
,
川上 ちひろ
1,2
1岐阜大学大学院医学系研究科医療者教育学専攻
2岐阜大学医学教育開発研究センター
3岐阜大学医学部附属地域医療医学センター
4産業医科大学病院救急・集中治療科
5産業医科大学医学教育改革推進センター
6藤田医科大学医学部医療コミュニケーション
pp.716-723
発行日 2023年12月25日
Published Date 2023/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663202177
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はじめに
看護師をめざすうえで、看護系の大学や専門学校などの看護師養成校(以下、看護学校)の入学試験は避けては通れません。その内容は機密性が高く、一般的には質改善をめざして看護学校同士が入学試験について情報交換することはほぼないでしょう。試験全般に言えることですが、特に面接試験の内容は、どんなによい課題であっても、看護学校の外部の人に知られ、それに特化した対策を練られてしまうとその課題の質(課題で問いたい能力)が一気に落ちるので、漏洩は避けねばなりません。また、受験者などに対策を練られないよう、面接の方法や問いを改変し続ける努力が必要です。とは言え、わが国の多くの医療系大学における面接に鑑みると、問われる内容や方法は伝統的なものにとどまっている印象です。質改善のためには、組織内のみで内々に相談するだけではなく、誌面上で情報を共有することが必要と考えます。
今回は入学試験のなかで特に面接において、この激変する世界のなかでこそ問うべき医療者の能力や資質、そしてそれを問う方法論の最前線について、看護師の資格をもつ共著の3人の教員とともに紹介・検討していきます。
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