特集2 ―看護教員として知っておきたい―今の学生とコミュニケーション
教員が知っておきたい学生の姿?―「今どきの若者は……」と言う前に
仲嶺 真
1
1東京未来大学モチベーション行動科学部 モチベーション研究所
pp.584-590
発行日 2022年10月25日
Published Date 2022/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663201988
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先日、電車で私の隣に座った50代にみえる2人組が「最近の若者は、仕事に対して熱がない。定時で帰る」とおしゃべりをしていました。そのとき私が読んでいた本は『絶望の国の幸福な若者たち』1)。同書では、こう書かれていました。「……若者論は、若者の多様性を無視して、彼らの特徴的なライフスタイルや心理を取り出して、それを誇張するようなものが増えていく」(p.65)、「大人たちの若者語りのレベルは、一世紀にわたってまったく進歩がない」(p.88)。
要するに、「最近の若者は……」という語りは、少なくとも100年くらい前から同じようなパターンが反復されており、若者の像を適切にはとらえられていない(一部の若者像を過度に一般化している)ということです。先の2人組の「若者論」も、残念ながら同書が指摘したとおりとなっています。
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