特集 豊かさの中に取り残された病院
豊かな社会の中の若者たち
二木 宏二
1
1日本リサーチセンター調査部
pp.26-29
発行日 1972年12月1日
Published Date 1972/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541204850
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最近の若者は外国人と思えの時代
‘最近の若者は外国人と思え’といったのは,たしか経営学者の野田一夫氏である.1960年代後半の‘大学の反乱’以来,社会の各層で,現代の若者の問題が,大きく脚光を浴びた.しかし,この野田氏のことばに代表されるように,その騒ぎの大きさの割には,若者に対する理解が深まったとはお義理にもいえないようだ.
むしろ最近では,新旧世代間の断絶や相互理解のむずかしさを思い知らされ,お互いの間にシラけたあきらめムードが強くなっているようにさえ見える.この裂けめが,ますます大きくなるとしたら,同じ社会に生きる人間として,これほど不幸なことはあるまい.とくに1つの企業体とか団体といった小さな組織体のなかで,こうした裂けめが拡大してゆくことは,その組織体にとって致命的な事態をまねくことにもなりかねないだろう.
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