連載 臨床判断能力の育成! 実践的な思考を促す事例づくり試案・3
カルテ情報から患者の状態を判断し、とるべき行動を選択するボウタイ(Bow-Tie)問題
畠山 有希
1
,
奥 裕美
2
1聖路加国際病院看護部
2聖路加国際大学大学院看護学研究科
pp.374-379
発行日 2022年6月25日
Published Date 2022/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663201948
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連載第3回目は、第1、2回目の事例問題とは異なる、スタンドアロン(独立型)問題の1つの形であるボウタイ問題を紹介する。ボウタイ(Bow-Tie)とは蝶ネクタイのことで、問題の形が蝶ネクタイの形に似ていることからこの名前がついている(p375中間の図を参照)。中心にある「もっとも可能性が高い(と考えられる)状態」を、潜在的な状態の選択肢から1つ選び、その状態に適した観察項目を右側の「モニタリング項目」、実施すべき行為を左側の「とるべき行動」を選択肢からそれぞれ2つずつ選ぶ。
この形式は、電子カルテの記録から患者の状態を判断できるかを問うもので、解答者は1、2文の簡単な状況の説明文と、電子カルテの「看護記録(Nursing Note)」「病身体所見」「現病・既応歴」「検査記録結果」「バイタルサイン」「入院時記録」「水分出納」「経過記録」「処方服薬(Medications)」「診断結果」「フローシート」といった項目から、患者の状態を推測し、何をすべきかを決定する1)。
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