スポット
タイ国サケオにおけるカンボジア難民の健康状態
山上 雅子
1
1東京食糧学院
pp.103
発行日 1980年2月15日
Published Date 1980/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401206023
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カンボジアの西部国境付近での戦闘のため,昨年の10月には,数千人のクメール人(カンボジア人)が身の安全を求めてタイに流入した.10月24日に,バンコクの北東250km,カンボジアータイ国境から50kmにある町であるサケオ付近のキャンプに31,000人の難民が収容された.この難民たちへのヘルスケアの供給については,国際赤十字委員会とタイ赤十字が責務を担うことになったが,これら赤十字の担当者,タイ国の県衛生担当宮,医科学研究所の専門家およびアメリカのCDC専門家により共同で報告された,この難民の健康状態に関する調査の結果は,以下のとおりである.
サケオの難民キャンプでは,4日以内に1,000人以上を収容する病院が設立され,国際赤十字加盟の,またボランティアの医師や看護婦が治療に当たっている.病院では,助産サービス,重度の栄養不良者に対する給食活動も行なっている.ここでは11月8日現在,すでに40人余りの乳児が誕生した.タイ赤十字による外来部門では,1日当たり3,000人以上が治療を受けている.
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