特集2 領域連携にむけて知っておきたい 看護教育のキーワードと実践
―在宅看護学―地域で暮らす人々を支える看護を学ぶ
清水 奈穂美
1,2
1滋賀医科大学医学部附属病院看護臨床教育センター
2滋賀医科大学医学部看護学科公衆衛生看護学講座
pp.98-104
発行日 2022年2月25日
Published Date 2022/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663201899
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滋賀医科大学(以下、本学)の在宅看護学(在宅看護・地域医療実践力育成コース)では、学生の地域への興味や関心を高め「地域で活躍する」という未来像を描ける教育を行い、地域の人々の暮らしと健康を支え、地域をともに創っていくことのできる次世代の看護師を輩出することをめざしています。学生は、子どもから高齢者まで幅広く、また、予防から看取りまで「その人と家族が大切にしていること(価値観や思い)」や「その人の暮らし」を理解し、生き方そのものを支える看護を学びます。
しかし、学生からは「地域のなかで、看護師はどんなことをするの?」「訪問看護に興味はあるけど、新卒の看護師にできるの?」といった声がよく聞かれます。学生は病院の看護を中心に学習した後に在宅看護を学ぶことが多いため、地域の人々の暮らしを支える看護活動のイメージがわかないのも当然のことです。さらに、独居や老老介護、病や障害をかかえる療養者(児)とその家族の生活を想像したり、健康上の課題が家族全体にどのような影響を及ぼすかを考えたりすることが難しい場合もあります。そこで筆者らは、在宅看護を学ぶ順番を工夫して、地域を支える看護活動や暮らしを理解するフィールドワークと、訪問看護師の思考と判断プロセスを基盤とした知識(knowledge)、技術(skill)、実践(practice)、多職種連携(collaboration)、新たな看護を創造する(creation)をコンセプトに講義・演習・実習を連関させたプログラムを開発しました[図1]。本稿では、いまどきの在宅看護教育に必要なキーワードを示しながら、プログラムの一部を紹介したいと思います。
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