特集 ウィズコロナ時代に向けた新人看護師・看護学生への支援
コロナ禍における看護学生への実習支援―看護師の職業的アイデンティティを育む
谷畑 玲子
1
1兵庫県立総合衛生学院
pp.944-951
発行日 2021年10月25日
Published Date 2021/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663201826
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医療・看護のニーズが複雑かつ多様化するなかで、毎年6万人弱の新人看護師が誕生しています。看護の臨床現場では、刻々と変化する患者の状態を適切に観察・査定し、その多様なニーズに応えることが求められます。実際の患者とのかかわりのなかで、対象者のニーズを知り、刻々と変化する状況に対応する能力を養うためにも、看護教育において臨地実習は重要な役割をもちます。実際に看護実践を行うなかで、看護のおもしろさや難しさ、奥深さを感じ、「看護の価値」にふれ、「看護師になりたい」という思いを強くしていく学生も多くいます。しかしながら、新型コロナウイルスによる世界的なパンデミックは、看護学生にとって重要な実習の機会を奪うことになりました。実習経験の少なさは、新人看護師の実践力や職業的アイデンティティの形成にも大きな影響を与えると考えます。
兵庫県立総合衛生学院(以下、当校)は助産学科、看護学科(2年課程)、歯科衛生学科、介護福祉学科の4つの学科をもつ、兵庫県内唯一の県立の医療系専門学校です。筆者は昨年度まで看護学科、今年度より助産学科に所属していますが、コロナ禍において看護専門学校がどのように対応してきたのか、この2年間の活動の実際について、実習への取り組みを中心にまとめたいと思います。
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