特集 ウィズコロナ時代に向けた新人看護師・看護学生への支援
―オール兵庫で取り組む―コロナ禍での新人看護師育成支援
成田 康子
1
,
八尾 雅子
1
,
山端 恭子
1
,
長﨑 麻子
1
,
北野 貞
1
1公益社団法人兵庫県看護協会
pp.926-933
発行日 2021年10月25日
Published Date 2021/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663201824
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
2020年3月1日、兵庫県で新型コロナウイルス感染者が初めて確認され、あっという間に感染が拡大し、4月7日から5月14日まで、第一次の緊急事態宣言が出されました。多くの病院では新人看護師を受け入れたものの、感染を現場にもち込まないように、2週間経過し新型コロナウイルスに感染していないことが確認できるまで、さまざまな対策がとられました。自宅でe-ラーニングや自己学習をさせたり、病院の会議室に隔離して現場には出ないようにするなど、さまざまに工夫をして、いかに新人を育てるか試行錯誤が行われていたのです。対面や集合研修を極力避け、必要な場合も時間を限定しての分散型の研修をしたり、部署のカンファレンスルームをオンラインで結んだりしていました。また、新人看護師は感染の可能性が低いことが確認されたのち、先輩の後ろについて一緒に動き、まずは臨床のリアリティを感じることから始めるなど、前例のないなかで、どの施設も工夫をしながら新人育成を図っていました。
そのような時期に、兵庫県立大学看護学部長(当時)の坂下玲子先生から、「中長期的な視点で、ポストコロナ禍で大学が支援できることは何か」と問いかけられました。目の前の対応に右往左往していた兵庫県看護協会(以下、本会)にとっては、これがコロナ禍における看護人材育成支援の大きな転換となりました。それから、本会副会長の大野かおり先生と本会教育認定部の新人教育担当者とともに知恵を出し合って、新人育成に必要な事業に取り組みを行ってきました。
Copyright © 2021, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.