特集 医療安全教育力を向上しよう
病院の医療安全に学生とどう向き合うか
中根 直子
1
1日本赤十字社医療センター看護部
pp.36-42
発行日 2021年1月25日
Published Date 2021/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663201642
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
医療を必要とする対象者の高年齢化・重症化に伴い、医療現場の疾病構造は大きく変化している。特に急性期病院では医療の高度専門化と治療の重点化が課題となり、クリニカルパスに沿って入院期間は標準化され、地域包括ケアを視野に入れた医療連携として入院の段階から転院検討が始まる。そのような環境で臨地実習を行う看護学生は、患者の疾病や家族背景に向き合う時間だけでなく、現場の看護職と向き合う時間もタイトになっていないだろうか。
筆者は今回の研究チームに、臨地実習を看護部で調整する立場としてかかわった。本稿では、日本赤十字社医療センター(以下、当センター)での実践例を紹介し、教育と臨地実習の現場が医療安全を共通課題としてどのように向き合っていけるか、課題と展望を述べる。
Copyright © 2021, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.