実践報告
地域を学ぶアーリー・エクスポージャーの役割―看護学生が過疎地域の道東根室地域を見て聞いて感じたこと
泉澤 真紀
1
,
山崎 陽弘
2
,
佐々木 萌衣
3
,
野々村 栞里
3
,
瀬戸口 遥
3
,
山下 唯
3
1旭川大学保健福祉学部保健看護学科
2町立別海病院
3旭川大学保健福祉学部保健看護学科
pp.762-769
発行日 2020年8月25日
Published Date 2020/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663201554
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ルーラル・ナーシング同好会の取り組み
社会の少子高齢化がますます進むなか、人口動態の変化に伴い、過疎化している地方の衰退は急速であるといえる。学生の段階からそうした現状を知りこれからの看護に生かそうと、筆者(泉澤)の呼びかけでルーラル・ナーシング同好会(以下、Rural Nursing Club:RNC)が立ち上がった。ルーラル(rural)とは、田舎や村落をさす。ルーラルには、地方や過疎地(以下、地方)における医療の問題を取り上げ議論するという意図が込められている。
この活動では、まず、われわれには未知の「地方」を知ることからはじめている。少子高齢社会の波で、最初にダメージを受けるのはこのような地方である。RNCを立ち上げ今年で2年目。昨年に引き続き、北海道内で最も看護師就業率が低いといわれている根室圏内に学生が足を運び、その土地で働く医療者に直接話を聞き、またその地方の人々と交流をすることを通じて地方を知る活動を行った。この活動は、看護教育のアーリー・エクスポージャー(早期体験学習)であると考えている。企画に参加した学生はそこで何を考え感じたのか。そして学生たちが身の丈でこの問題をどう取り上げようとしているのかを報告する。
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