実践報告
周手術期看護の技術演習を組み込んだ急性期看護過程の授業展開
牧野 夏子
1
,
城丸 瑞恵
1
,
大塚 知子
2
1札幌医科大学保健医療学部看護学科
2千葉大学大学院看護学研究科
pp.432-437
発行日 2020年5月25日
Published Date 2020/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663201490
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はじめに
日本看護科学学会看護学学術用語検討会1)は看護過程について、『看護の知識体系と経験に基づいて、人々の健康上の問題を見極め、最適かつ個別的な看護を提供するための組織的・系統的な看護実践の一つであり、(中略)5つのステップ(アセスメント、看護診断[問題の明確化]、計画立案、実施、評価)に分けられている場合が多く、これらのステップは互いに関連して動的に循環しらせん状に進み、「評価」に基づいて再び次のアセスメントへとつながっている』と定義している。
看護過程の展開能力は、看護者に求められる実践能力のなかでも基盤となる重要なものである。そのため、多くの看護基礎教育課程で看護過程が教授されている。しかし、看護過程は他の科目と異なり標準的な教科書が少なく授業計画が立てにくい、標準的な授業計画が共有されていない、実際の展開に関した報告が少ないという課題もある2)。
本稿では、本学の急性期看護過程の授業について紹介する。その特徴は、集合学習とグループ学習を組み合わせて構成している点、看護過程の事例に沿って周手術期看護の技術演習(以下、技術演習)を組み込み、実際に学生が看護師役として実施した内容を評価し、評価内容をもとに計画を修正するというステップを経ている点である。
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