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書評 精神疾患をもつ人を、病院でない所で支援するときにまず読む本―“横綱級”困難ケースにしないための技と型
片山 陽子
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1香川県立保健医療大学
pp.1051
発行日 2019年12月25日
Published Date 2019/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663201390
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卓越した看護師の「技」と思考を学ぶ教材にも
本書は、地域で実践している支援者、特に「難しい人」と感じる対象者を支援している人には、まず手にとってほしい本です。日々の実践で感じている「誰かに相談したい」「明日から実践できる具体的な対応方法が知りたい」そんな思いに応えてくれる道標となる本です。多くの人が一歩引いてしまうようなケースの考え方と対応方法について、[精神科認定看護師であり訪問看護師]である小瀬古さんが、地域で生活している利用者に向き合い思考錯誤しながら協働する支援者らとともに見出してきた「技」と「型」が余すところなく書かれています。その提示は精神疾患の症状別ではなく、生活や行動という目に見える特性ごとにケースを解説しています。
サブタイトルにある“横綱級”は疾患の重症度ではなく、対人関係的な意味です。『精神疾患をもつ人を……』と題されていますが、本書で紹介された「技」は、精神疾患の有無にかかわらず使えるものが多く、幅広い領域で参考になるでしょう。
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