連載 つくって発見! 美術解剖学の魅力・14
脳幹—その1 目立たなくても脳の主幹です
阿久津 裕彦
1,2
1順天堂大学解剖学生体構造科学講座
2東京芸術大学美術解剖学講座
pp.85
発行日 2019年2月25日
Published Date 2019/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663201168
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脳と聞けばシワだらけのかたまりが思い浮かびますが、そこに脳幹はほとんど見えていません。脳をキノコにたとえると脳幹は中心部の“柄”に相当します。脳幹は先端から順に、中脳、橋、延髄の部位に分けられ、脊髄へと移行します。脳幹は目立たないけれども、意識、呼吸、循環など生命維持に必要な機能を担う最重要な部位です。また、脳神経と呼ばれる重要な末梢神経のほとんどが脳幹から出入りします。
造形では、まず上が左右に幅広の円柱を作り、前後の正中に溝を引きます。下半分では溝の左右にも溝を加えます(①)。この6本の溝は脊柱にもあるものです。後ろの真ん中に菱形の窪みを作り、これが第4脳室となります。前の真ん中に横向きの太い柱を巻きつけ、橋(きょう)を作ります(②)。橋より上が中脳で、下が延髄です。中脳の後面に玉を4つ押しつけて四丘体とし、上丘から鉢巻のように視索を前方へとぐるりと回しましょう。
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