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編集主幹ノート
吉田 幸雄
pp.92
発行日 1964年8月1日
Published Date 1964/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541202411
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盛夏です。この暑さのために,日本の病人は身心を弱らせ症状を悪化させている。目の前には全館冷房のデラックスなホテルが林立して行く。オリンピックも大切だが,病人を暑さの中に放置しておく跛行現象は我慢ができない。オリンピックがうまくできることが文化と思っている日本人の文化観は,何とおそまつなものだろうか。毎夏の愚痴……多謝。
さて本号は「薬局管理」を特集しました。病院薬局が再認識されなければならない時代になってきました。薬物療法は一段と進歩し,調剤数は激増しています。しかし,この薬物療法の新時代にはたして適切な認識が医師側に理解されているのでしょうか。有効な薬品が多くなるにつれ,効果の不確実な薬はもっと淘汰されてしかるべきではないでしょうか。医師が慣習によって使用している医薬品の再検討,新薬の正しい認識がなされるべきでしょう。それには新時代の病院薬剤師は,薬学の専門家としてもっと医師と協力できる体制が助勢されねばならないのではないでしょうか。
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