特集 VR/AR/MR 教育への応用最前線
VR/ARは教育実装の時代へ―東京大学VR教育研究センターの概要をとおして
廣瀬 通孝
1
1東京大学連携研究機構VR教育研究センター
pp.6-11
発行日 2019年1月25日
Published Date 2019/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663201152
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はじめに
本誌の2018年2月号(59巻2号)で、VR技術について書かせていただいた。それから約1年、世の中の流れは高速で、VRをめぐる状況はめまぐるしく展開しつつある。ハードウェアの低廉化、カジュアル化はさらに進み、スタンドアローン(外付けのコンピュータなどを必要とせず、単体で機能する)のヘッドマウントディスプレイ(HMD)が数万円台で登場したほか、スマートフォンをHMD化して見回し可能にするためのアタッチメントが100円均一ショップで売られるようになってきた。VRは研究開発の段階から、利活用の時代へと歩を進めつつある。
先日、あるVRスタートアップの社長に聞いた話であるが、ここ数年来の取引件数はすでに3万社に達するという。もっともその90%が外国企業であり、わが国がこういう新規分野にとり残されつつある状況も心配されるところである。
筆者のまわりについて言えば、2018年2月、東京大学に連携研究機構としてVR教育研究センターが設置された。この体制については後述するが、教育訓練の場において、VRやARなどの新しいメディアの活用が本気で考えられるようになってきた。
さて、本稿では新しい取り組みとして、スマートフォンで体験できるVRアプリを2点添付している。対応する場所にはQRコードがあるので、実際にVRを体験しながら本文を読み進めてほしい。
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