連載 NとEとLGBTQ・6
医療従事者がLGBTQ理解を深めるための研修を
浅沼 智也
pp.851
発行日 2018年9月25日
Published Date 2018/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663201088
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昨今,LGBTQについて社会的な動きがメディアで取り上げられることが多くなっている一方で,多様な性のあり方についての正確な知識を得る機会はとても少ないのが現状としてあります。LGBTQについての知識は,これまでの連載で述べてきたように,医療や福祉の現場でも非常に重要なものであり,多様な性について知識があるかないかで患者のQOLや現場で働く当事者に大きく影響することがあります。
僕自身も実際に体験したことがあることですが,差別的な発言(ホモ・おかま・レズ・おなべ・おねえ・そっち系・あっち系)などを無意識にする看護師がいます。本人は差別的な発言とは思ってはいないものの,言われた当事者は傷ついていることがあるのです。「私の職場ではLGBT当事者はいない」と発言する人もいますが,実際には,カミングアウトする必要がないから言わない当事者が存在することを念頭に入れておいてもらいたいものです。現在,LGBTQへの対応を積極的に行っている医療機関はあるものの,全国規模となるとまだまだ不十分です。LGBTQについて正しい知識を学ぶため,院内研修や教育カリキュラムの1つとして多様な性についての深く正しい知識を学ぶ機会をもってもらいたいと願っています。
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