特集 統合実習は“統合”されているか?
専門学校で行う,臨床現場でチームとして学ぶ統合実習
渥美 美保
1
1尾北看護専門学校
pp.802-807
発行日 2018年9月25日
Published Date 2018/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663201078
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
統合実習は,卒業後臨床にスムーズに適応することをめざして行われる。当校では,病棟チームの一員として複数の患者を同時に担当し,ケアマネジメントと看護サービスを学び,常に「安全」を念頭に看護を提供する方法を学ぶことをねらいとしている。実習病院,実習病棟の看護方式によって,学生はPNSやチーム看護を学んでいる。
学生チームによるチームナーシング形式を取り入れる前は,病棟の各チームに学生を配置し,その日に受け持ち患者を担当する看護師(以下,担当看護師)に同行し,患者を1,2名受け持って看護ケアを行っていた。看護師は1日4,5名の患者を担当しているため,学生の受け持ち患者以外のケアに入っているときは学生が待機していることもあった。学生は臨地実習指導者(以下,指導者)や担当看護師と,ともに複数患者の看護ケアを実施しタイムマネジメントは学んでいるが,「看護チーム」での自己の役割が明確にならず,看護チームの一員としての態度や姿勢が養われないと感じていた。
学生チームによるチームナーシング形式を取り入れ,リーダーを立てることに対しては,卒後クリニカルラダーレベルⅡ以上にならないとリーダー業務をしないため,教員間では学生には必要ないという意見もあった。しかしこれは,統合実習で「リーダーシップ」を発揮することをねらったものではなく,リーダー経験をとおして,リーダーに必要なスキルを学び,また,自己の傾向に気づく機会となると考え,取り入れることになった。
本稿では,チームナーシングを取り入れた当校の統合実習での学生の学びについて述べる。
Copyright © 2018, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.