連載 授業を良くする! 教育関連理論・5
「開発」して授業の準備を整えよう!
西野 毅朗
1
1京都橘大学 教育開発支援センター
pp.229-235
発行日 2018年3月25日
Published Date 2018/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663200945
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開発の基本を理解する
教材って何だろう
今回はADDIEモデルの2つ目のD(Development)「開発」を扱います。開発は,学習環境において利用される教材の準備を指します1)。たとえば,授業で使う教科書を選んだり,使えそうな映像を探したり,スライドやワークシート,シナリオを作成するといったことが開発に当てはまります。
教材にもさまざまな定義がありますが,ここでは日本教材学会の定義2)を参考にしながら,「教育の目的・目標を学習者が達成するために制作・選択された図書,その他の素材。広義には,教えるための道具としての教具を含む」ものとします。第一に教育の目的・目標を学習者が達成するためのものですから,教材をつくるためには,まず授業の目的や目標が明確になっている必要があります。第二に,制作・選択するものですから,教員が新しくつくる場合も,既存のものから選ぶ場合も,その両方である場合もあります。第三に,教材は図書だけでなく,さまざまな素材や道具が含まれ,多種多様であるといえます。
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