Scramble Zone
教育・学修支援専門職養成プログラムの公開講座 「学生の抱える困難の理解と支援」に参加して考えたこと
飯岡 由紀子
1
1埼玉県立大学大学院研究科・研究開発センター
pp.48-52
発行日 2018年1月25日
Published Date 2018/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663200904
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配慮が必要な学生への組織的支援
2016年4月に障害者差別解消法が施行され,合理的配慮への関心が高まりました。と同時に,日本学生支援機構の「大学,短期大学及び高等専門学校における障害のある学生の修学支援に関する実態調査」では,2016(平成28)年度の障害学生在籍率は0.86%となり前年より0.18%増加しました1)。急増した背景には,各大学などにおいて障害学生支援体制の整備や取り組みが進み,障害学生の把握が一層進んだことが推察されています。看護基礎教育課程においても同様の傾向があることが予測され,精神障害を有した学生や,聴覚障害をもつ学生など,多様な学生が増えてきていることでしょう。
また,障害が明確な状況ではなく,障害の特徴を部分的に有する学生や境界型と考えられる学生のほうが多いかもしれません。このような学生は,それらの特徴が顕在化されていないため,対応が遅れたり,学生も教員も臨床指導者も戸惑いや混乱を招きやすいと思われます。看護基礎教育では,障害を有する学生だけでなく,その特徴を有する学生や境界型も含まれるため,合理的配慮としてではなく「教育上の調整」として考えたいと思います。
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