連載 すべって,転んで,立ち上がるために 〜看護職生涯発達学から〜・8
大学病院で働き続けている30代後半看護師のキャリア支援
鈴木 真由美
1
,
佐藤 紀子
2
1日本医科大学付属病院
2東京女子医科大学
pp.957-963
発行日 2017年11月25日
Published Date 2017/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663200871
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新米主任看護師としての苦悩
看護師になりちょうど10年を迎えたころ,看護師長に突然「鈴木さん1月から主任看護師になるから」と言われ,突然の変化に戸惑い泣きだしてしまいました。何故自分が,責任の重い仕事を引き受けなければならないのか,納得ができない,1人の看護師として自分のやりたいことはもうできなくなると落胆してしまいました。あの頃を振り返ると,その辞令は上司が私を評価してくれた証でもあったのですが,あまりにも突然のことで状況を受け止めきれずにいました。
昇進してからの私は,病棟で起きるさまざまな問題に直面するたびに,自分の知識のなさに気づかされ,指導的立場にいていいのかと悩むようになっていました。そんななか,追い打ちをかけるように新人看護師が1年も経たずして退職してしまうことがあり,主任看護師としてもっとできることはなかったのか,どうすれば新人看護師が仕事を続けることができたのか,自問自答し,人を育てるとはどういうことか,教えるとはどういうことか,と教育の難しさを感じました。
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