連載 フィンランドとの交流経験からの今後の日本の看護教育,研究活動への示唆・3【最終回】
エビデンスに基づく実践者を育てるための看護教育の発展に向けて
山川 みやえ
1,2,3
1大阪大学大学院医学系研究科統合保健看護科学分野
2公益社団法人浅香山病院
3The Japan Centre for Evidence Based Practice
pp.674-679
発行日 2017年8月25日
Published Date 2017/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663200812
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この連載は,フィンランドのオウル大学と大阪大学との交流のなかで知ることとなったフィンランドの臨床現場と大学との連携を,さまざまな立場から考察し,日本における看護基礎教育の今後につながる示唆を得るために開始された。
第1回目は,学位をもった人材を十分活用しているオウル大学病院やその他の病院の看護実践として,施設の管理者などに博士の学位取得者が活躍している様子を紹介した。特に,博士の学位を取得する要件には,システマティックレビューに準じるレビューの執筆を経たうえでのプライマリーリサーチの実施が必須であるため,自然と実践のなかにエビデンスというものが存在している状況であるといえる。フィンランドではレビューも含め,実施した研究はすべて国際的な学術雑誌への複数(3本以上の場合もある)の掲載が必要である。本当にその分野に精通している,いわゆる「博士」を育成する取り組みが,大学だけではなく実践現場も合わせて展開されていた。
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