--------------------
書評 ─『看護学生スタートブック』─新入生に読んでほしい学生生活のガイドライン
佐藤 紀子
1
1東京女子医科大学看護学部
pp.451
発行日 2017年6月25日
Published Date 2017/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663200761
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
今年も新入生を迎える季節になった。大学における初年次教育の必要性は謳われているものの,看護学を学ぶ学生にとって必要なことをガイドする教本は,あまり目にしていない。看護学を学ぶためには,各科目の単位を積み重ねていくことだけではなく,基礎から応用へ,応用から統合へと,学年進行に伴う内容を自分で整理しながら蓄積していくことが肝心である。そしていつも基礎に戻って反芻するということや,23単位以上と定められている臨地実習の学び方は非常に重要であり,看護系以外の大学や専門学校での学修とは異なっているのが特徴でもある。そして基礎教育での学修は,卒業後に看護職になり,継続的に学修するときの拠り所となる。つまり,看護学を学ぶということには,知識を獲得することだけではなく,知識を用いて実践できることが求められる。
本書には看護学を学ぶ学生に理解してほしい内容が,ていねいに簡潔に書かれている。目次を開いてみると,「新生活スタート」「授業が始まったら」「資料の集め方・読み方」「レポートはこれで書ける」「定期試験が始まった!」「臨地実習で慌てないために」と,章ごとに1年次の学習の進度に沿った内容が展開されていく。そして,終章は「充実した学生生活を送るために」でまとめられており,新入生がこれから始まる学生生活をイメージすることができる構成となっている。
Copyright © 2017, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.