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助産婦学校の新入生のために
小柳 琴
1
1都立保健婦助産婦学院
pp.10-11
発行日 1960年4月1日
Published Date 1960/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611201880
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新入生の助産婦学生にようこそと私は心から,歓迎のことばを申し述べたい.母性保護のために立上るひとを,母性保健チームの重要な役割を果すべき助産婦学生たちを,毎年,春と共に待ち望んでいる仲間としての私達助産婦の心境である.それは新制度により,専門的な助産婦教育をうけた助産婦を待ち望んでいる社会の切なる要求でもある.
終戦後,あわただしい混乱した社会情勢のさなかで,漸く国民の健康,人々の健康,母子の健康が如何に重要であるかが,人類福祉と共にさけばれ始めた.行政的に医療制度の再検討,保健衛生関係者の資質の向上,また科学的理論と技術の研究,教育上の問題点など……….その結果として健康保持,健康増進のための医療,公衆衛生,看護の目標はかん然と旗印を高く揚げ,その目的を達成するべく,国をあげて邁進したのである.そのなかで私達の身分,業務,教育に関する保健婦,助産婦,看護婦法が制定され,看護行政の確立を見るに至つた.昭和23年上記の法第203号に示された新しい看護制度によつて設置された学校も10余年を経過した現在,保健婦養成所33校,助産婦養成所23校,看護婦養成所189校(34.10月厚生省しらべ)の数に上り,それ等の指定された教育機関では,後継者の育成にそれぞれ専念している.
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