連載 学生なら誰でも知っている 看護コトバのダイバーシティ・3
個別性
木村 映里
pp.165
発行日 2017年3月25日
Published Date 2017/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663200696
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「患者さんの個別性を大切に」。看護学生時代,実習のたびに耳にタコができそうなくらい実習指導者や先生から言われてきた言葉です。性格,家族背景,入院への思い……。疾患の他にも看なければいけない部分も多く,深夜に記録を書きながら「ああもう!」と何度もパンクしそうになった経験を懐かしく思います。
そのくらい患者さんの多様性を重要視する一方で,実習や授業のなかで学生の個別性はどれだけ尊重されているでしょうか。実習のときの苦しみを思い出してみると,その大半は「みんなできているのに私だけできない」であったように感じます。記録を提出するときにちらりと同じグループの子のを見ると,自分の倍くらい文字が書き込まれていたり,実習指導者への質問のレベルが,私よりそのグループメンバーのほうが高いような気がしたり。
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