連載 宮子あずさのエキサイティングWriting・21
患者を責めない疾病観をもって書く
宮子 あずさ
pp.772-775
発行日 2016年9月25日
Published Date 2016/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663200597
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病気の責任
看護師の立場で病気について書くときは,単純に個人を責めないように気を遣っています。いちばん大きな理由は,「好きで病気になったわけでもないのに,気の毒に……」という気持ちがあるから。また,どんな出来事にも外からはわからない複雑さがあるはずです。
この「好きで病気になったわけでもないのに」こそ,私の疾病観にほかなりません。私にとって看護とは,「好きで病気になったわけでもない患者さんと,病気を仲立ちとしてかかわる仕事」。互いが望んだ関係ではないからこそ,置かれた状況への理解や認識が強く問われるのだと思います。
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