特集 糖尿病看護とバーンアウト 「挫折」を宝に!
挫折体験を宝に変える! 糖尿病の知恵袋たちのお宝事例カンファレンス
事例2 “変われない”患者と責めたいナース
石井 均
1
,
斎藤 幾重
2
,
船田 仁美
2
,
原 千晴
3
,
東里 智子
4
,
荒木 厚
5
,
石黒 友康
6
,
古家 美幸
7
,
本田 佳子
8
1天理よろづ相談所病院
2さいとう内科クリニック
3北海道大学病院
4ハートライフ病院
5東京都老人医療センター内分泌科
6聖マリアンナ医科大学病院
7天理よろづ相談所病院内分泌科
8虎の門病院
pp.125-129
発行日 2004年2月1日
Published Date 2004/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100396
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事例2
33 歳・女性・1 型糖尿病・挙児を希望(事例提供:原千晴)
“変われない”患者と責めたいナース
事例紹介
発症は14歳時.27歳時に挙児に向けてCSII(Continuous Subutaneous Insulin Infusion:持続皮下インスリン注入療法,インスリンポンプ療法)を開始する.腎症Ⅰ期で,合併症はなし.夫(47歳)との2人暮しだが,夫からのサポートは少ないように感じられた.
事例提供者がはじめて担当した糖尿病患者であり,29歳時から4年間にわたってかかわることになった.入院中は血糖コントロールが確立(HbA1C7%台)するものの,退院後悪化(HbA1C10%前後)という経過を繰り返していたため,3回目の教育入院では担当医から「(自力で)HbA1C7%台まで落とすまで,入院はさせない」と指示を受けた.
面談中も無口で,あまり話してくれない.また,妊娠という,療養の動機付けとしてはこれ以上ない目標を持っているにもかかわらず,コントロールを確立できない患者に,事例提供者は困惑していた.
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