ベッドサイドの看護
腎不全という先入観をもった患者への援助
豊田 梅代
1
,
大益 アヤ
1
,
東海林 美代恵
1
,
佐藤 幸
1
,
井上 昭子
1
1山形市立病院済生館東5病棟
pp.780-783
発行日 1981年7月1日
Published Date 1981/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661919286
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
この事例は,長期にわたり利尿剤,および緩下剤の使用による低カリウム血症の精査のため入院してきた患者である.今回私たちは,病気の経過が長く,某病院で慢性腎炎と診断されたことや,周囲の影響により,必ず腎不全に進行すると思い込み,その疾病に対する不安から,検査や治療を拒否する患者を看護した.
看護の実際場面では,患者の性格から患者との接し方が難しく,疾病に対する不安から,治療や検査を拒否し続けたことなどに困惑した.私たちは,この患者に対し精神的な面でのアプローチを試みた結果,最終的には,治療や検査を計画どおり実施することができ,また腎不全という先入観を取り除くことができた事例を経験したので報告したい.
Copyright © 1981, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.