焦点 第105回看護師国家試験を振り返って
豊富な看護実践能力が問われ,さらに難易度は上がる─テキストマイニングによる分析
井野 恭子
1
1椙山女学園大学看護学部
pp.540-546
発行日 2016年7月25日
Published Date 2016/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663200537
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第105回看護師国家試験の学生の反応はさまざまであり,「過去問題集をやっていたので困らなかった」という声もあれば,「とても難しかった」という反応もあった。厚生労働省から発表された看護師国家試験の合格基準(厚生労働省2016)は,必修問題40点以上/49点(得点率81.6%),一般問題・状況設定問題151点以上/247点(得点率61.1%)であり,合格率は89.4%であった。この結果は第99回(2010年)に等しく,この6年間で最も得点率が低い,すなわち学生が点数を得にくい国家試験であったといえる。
次年度第106回看護師国家試験は,2012(平成24)年4月に取りまとめられた「保健師助産師看護師国家試験制度改善検討部会報告書」1)をもとに作成される。さらに2016(平成28)年2月には第107回からの国家試験に向けての改善案2)が報告されている。これらの方向性をふまえながら,第105回看護師国家試験の学生の解答状況から不正解の要因を分析し,さらにテキストマイニング3)を用いて設問を分析し,第106回看護師国家試験に向けた対応を検討する。
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