特集 「気持ちのいい」ケアを教えよう!
「気持ちのいいケア」は,患者と看護者のその人らしさを支える!
縄 秀志
1
1高崎健康福祉大学保健医療学部看護学科
pp.338-345
発行日 2016年5月25日
Published Date 2016/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663200493
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「気持ちのいいケア」とは何か
「気持ちよさ」をもたらすケアの発見
私が「気持ちよさ」に焦点をあてて,本格的に研究を始めたのは,1997年に聖路加看護大学(当時)大学院博士前期課程に入学してからである。約20年の研究の積み重ねを経て,やっと「気持ちよさ」をもたらす看護ケア理論の創成の入り口までたどり着いた。
そもそも「気持ちよさ」を研究テーマとしたのは,国家公務員共済組合連合会虎の門病院のCCU(coronary care unit:冠疾患集中治療室)でのAさんの看護体験があったからである。新人看護師としてCCUに配属になった私は,現場の緊張感に呑みこまれそうになりながら実践経験を積んでいった。患者さんの命に直結する医療処置が多いなかで,私の大好きなケアは,患者さんのからだを拭いたり,髪を洗ったりする清潔ケアだった。
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