特集 「気持ちのいい」ケアを教えよう!
扉
pp.337
発行日 2016年5月25日
Published Date 2016/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663200492
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看護の醍醐味の1つに,患者さんから「気持ちよかった」という言葉を聞くことがあるのは,経験上皆さんご存じでしょう。けれども,大抵の場合は,患者さんからのこの反応で「喜んでもらえてよかった」と満足感は得るものの,自分のケアを見直し,そこに至ったケアの意味を見出すことなしに,その場限りで終わってしまうことが多いのではないでしょうか。「気持ちよかった」という言葉は,単なる「手技」の成果としてではなく,患者さんの身体的,精神的,社会的な苦痛が軽減し,看護師とのつながりに「安心・安楽」を感じたときに発せられます。この言葉を引き出すには,どのようなケアが必要かを検討する必要があるのです。
今回は,「気持ちのいい」ケアを求めて研究を続け,看護モデル作成を進めている方々に登場いただき,このキーワードを用いて,看護のなかの技術,そしてその教え方を見直していただこうという特集です。「気持ちよさ」というものは,受け取り手の個人差が大きいですし,環境によっても大きく左右されます。さらには,それを行う看護師側のとらえ方も千差万別でしょう。それでも,ケアを行う際に意識していれば,それは患者さんには伝わるはず。その意識づけを教員が学生にどのように行うかが,重要となります。患者さんに直接接する前に,学生が「気持ちいいケア」に対するイメージを広げられるように,先生方には働きかけていただきたいと思います。
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