連載 卒業前の看護実践能力育成への取り組み 愛知県立大学看護学部「看護の統合と実践」検討プロジェクト・9
─分野別演習の指導計画と実施状況─精神看護学:自殺企図のあるうつ病患者の事例を用いた認知行動療法を軸とする援助技術の演習
山田 浩雅
1
,
岩瀬 信夫
1
1愛知県立大学看護学部精神看護学
pp.462-469
発行日 2015年5月25日
Published Date 2015/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663200227
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はじめに
うつ病は言うまでもなく,今や精神疾患のなかでも最も増加している疾患であり,また自殺に関連する重要な疾患となっている。看護師の多くが精神科のみならず一般病棟においても,うつ病を患っている方やその家族への対応,さらには治療的なかかわりをしなければならない場面も,今後多く遭遇していくのではないかと考える。
うつ病に対する精神医療では,薬物療法だけでなく,精神療法手法として「認知行動療法」が各地の病院施設で広がりを見せつつあり,看護師もそれをふまえた治療的なかかわりやコミュニケーション技術が要求されるようになってきている。
本稿では,精神看護の特徴を表現できる他の分野にはない演習をすることを念頭に,最近の精神医療の動向を踏まえ,うつ病疾患の事例とし,さらに認知行動療法を組み入れた演習を設定した。その取り組みについて紹介する。
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