連載 心一文字・7
『柔』
園家 文苑
,
水戸 優子
1
1神奈川県立保健福祉大学
pp.567
発行日 2014年7月25日
Published Date 2014/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663102741
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学生を指導するとき,私は「柔らかい」目を心がける。穏やかに優しく接するということである。それにより学生がリラックスし,自分のもつ力を発揮してくれると思うからだ。とはいえ,「厳しい」とか「恐い」「強い」ほうがよいのかもと思うこともある。特に学生がまじめに学習しなかったり,注意をしてもふざけた態度を取り続けたりしたときは,厳しくしないせいかと悩んでしまう。
そんな折,ふと同じ「柔」の字を用いる日本の「柔術(柔道の原形)」のことを思い出す。辞書で「柔」は,“力で抵抗せず,相手の力を利用して逆に相手を倒す武術”とある。そうだ,「柔らかさ」は学生がもつ力を利用し(発揮して)伸ばす術になる。術の用い方次第なのだ。
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