調査報告
北海道における看護師養成所看護教員の勤務実態と蓄積的疲労調査―〈前編〉調査概要および勤務実態の結果と考察
長谷川 美由紀
1
,
戸田 悦子
2
,
濱本 瑞穂
3
1深川市立高等看護学院
2砂川市立病院附属看護専門学校
3滝川市立高等看護学院
pp.614-621
発行日 2014年7月25日
Published Date 2014/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663102754
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はじめに
近年の看護師養成に関わる環境の変化は著しく,看護師養成所における看護教員に期待される役割も増大する傾向にある。「今後の看護教員のあり方に関する検討会」1)では,看護教員に求められる能力を5つのカテゴリーで示し,それらの能力の開発・維持に関する報告がされた。北海道看護教育施設協議会では,看護基礎教育を担う看護教員の確保および資質の向上に向けて,研修や研究を継続的に行っている。2010(平成22)年度に調査された「北海道内看護教員の継続教育における現状と課題」2)では,さまざまな業務を抱え込み,資質の向上に時間を費やすことが困難になっている教員の声が多く寄せられた。
本研究は,同協議会の目的に沿い,看護教員の配置の適正化に向けての基礎資料とするため,北海道における看護教員の勤務実態と蓄積的疲労について調査を行ったものである。結果,6年未満の看護教員の蓄積的疲労は,すぐさま改善が必要な問題をはらんだ職場環境とされ,個人的な努力だけでは期待される能力の獲得が容易ではないことが明らかになった。本研究の全容を2回にわたって示す。1回目は,調査の概要および看護教員の勤務実態の結果と考察を報告する。
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