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看護教育の置かれている状況
看護教育の分野では,高齢化社会の到来や医療の高度化,在院日数の短縮,患者のニーズの多様化に伴い,高度な看護実践能力を備えた看護職の人材育成が求められている1)。また,臨地実習における侵襲を伴う看護行為の制約等,社会や保健医療を取り巻く環境の変化と学生の多様化に伴って,臨地実習の在り方の見直しや教育内容の工夫,教授方法の質的な改善等の課題が指摘されている。厚生労働省は,2008(平成20)年7月「看護基礎教育のあり方に関する懇談会論点整理」において,看護基礎教育の充実の方向性について,「いかなる状況に対しても,知識,思考,行動というステップを踏み最善な看護を提供できる人材として成長としていく基盤となるような教育を提供することが必要不可欠である」2)と述べている。
それを受け,2009(平成21)年3月,「看護の質の向上と確保に関する検討会中間とりまとめ」がなされ,新人看護師の臨床実践能力の不足が指摘されていることをふまえて「教育した内容が着実に身につくよう,臨地実習の場の確保を含めた環境を整備していく」3)ことの重要性について言及している。その後,基本的な方向性を具体化するために,2009年度より,次の4つの検討会,【大学における看護系人材養成の在り方に関する検討会】:文部科学省(2009年3月~2010(平成22)年12月),【看護教育の内容と方法に関する検討会】:厚生労働省(2009年4月~2011(平成23)年2月),【今後の看護教員のあり方に関する検討会】:厚生労働省(2009年5月~12月),【新人看護職員研修に関する検討会】:厚生労働省(2009年4月~2011年1月)で人材育成の方向性が示されてきた。
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