公平性と関係性―学術論文の採点にみる教員の価値観

ミシガンからオレゴンへ

　さて，今回からオレゴン州ポートランド市からのお便りになります。アメリカ国内でも西部，中部，東部，南部によってそれぞれの特色があります。オレゴン州（州都はセイラム）は，自然が美しい太平洋に面した州で，今でも荒々しい自然が多く残る州です。ポートランドはそのなかで最も人口密度が高い街です。リベラル，環境にやさしい，健康意識が高い，ユニークな人が集まることで有名です。日本人の留学生にも人気が高い街です。また，緑が濃く美しい夏，長い雨期（10月から4月？……まだ経験していないのですが）が有名です。食文化も発達しており，おいしいビール，コーヒーが有名です。ミシガンで，ハンバーガーばかり食べていた毎日とは違い，食生活面でも充実した毎日となりそうです。娘は1歳半となり，今のところ日本語と英語両方をわかってくれています。公立学校で日本語を第二外国語として教えている所があるので，その学校の近所に住むことにしました。日本人が多いわけではないのですが，好日的な街です。

　ミシガンでの2年間は大変充実していたのですが，以前サンフランシスコに住んでいたこともあり，西部を恋しく思う気持ちが強く，今回の移転となりました。共働きの夫婦なので，今回の移転にあたってはお互い納得いく就職ができるかことが重要であり，引っ越し前の準備を複雑なものとしました。新しい就職先の確保のため，家族でロサンジェルス，ロチェスター（ミナソタ州），そしてポートランドまで「出張」をし，半年かけた職探しとなりました。臨床の仕事と違って教員職は公示されていないことも多く，人に紹介されたり，電話面接が事前にあったりと面接の「出張」に行き着くまでにも数段階あり，通常の仕事をしながらであると，なかなか大変でした。それでも努力の甲斐があり，9月からオレゴン健康科学大学看護学部の助教授となりました。今は新人教員です！