特集 助産師教育の現状と課題
助産実習の現状と課題―受け入れる立場から
大野 芳江
1
,
馬目 裕子
1
,
竹内 幸枝
2
1日本赤十字社医療センター分娩室・MFICU
2日本赤十字社医療センター
pp.1018-1025
発行日 2013年11月25日
Published Date 2013/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663102554
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はじめに
私(大野)は,助産の美しさを先輩の後ろ姿を見て学び育ってきました。手から伝えるケアの力を目のあたりにし,心が揺り動かされるときもありました。時代が変わっても普遍的なものは,助産師すべての心をとらえ魅了するものだと思います。しかし,助産師を取り巻く環境は少子高齢化やハイリスク分娩の増加,産科関連病棟の複数診療科による混合化,産科医師の不足など,周産期医療提供体制の変化にあわせて,より複雑多岐にわたってきています。助産師のあるべき姿と期待される業務が拡大している現実に,助産師学生や新人助産師が適応する過程において,受けるストレスは測り知れないものだと思います。
助産師のもつ技は,体(手)でわかり,心でわかり,そして双方が醸成されるまでにはたくさんの経験の積み重ねが必要で,時間を要するものです。助産術の伝承をするには未熟なわれわれですが,こんな社会だからこそ助産師の原点を伝えることの重要性を実感しています。
今回は,周産期医療チーム一丸となり「育む」ことを職場の理念とする,日本赤十字社医療センター総合周産期母子医療センター(以下,当センター)の臨地実習指導の実際を紹介いたします。
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