特集 教育の質を高める学習方法 いまから始める協同学習
協同学習で学生が変わる―学生の学び合いと教師の同僚性
佐々木 美奈子
1
1筑紫看護高等専修学校
pp.656-661
発行日 2013年8月25日
Published Date 2013/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663102460
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「クラス力」を高めることを求めて
本校は筑紫医師会によって設立された准看護師養成所で,1学年の定員が40名,専任教員5名(教務主任を含む)の小規模校である。入学生の約8割が社会人で,年齢(平均約30歳)も学歴もバラバラであり,学習に対する新入生の「レディネス」は多様。言い換えれば,学習意欲や基礎学力において多様な学生で構成された異質な学習集団である。もっとも,准看護師養成校は,現在どこもほぼ同じような状況であろうと推察される。
教員になって20年余り,授業案を作成するとき,学生の多様な「レディネス」に振り回され,授業内容を絞りきれずに失敗したことも多々あった。そのような苦い経験のなかで,多様な学生の集団に秘められた「力」を活かす授業づくりがみえてきた。つまり,異質で多様な特性をもつ学生の力をつなぎ,すり合わせ,共に学ぶ力に変えていくという方法である。こうして一つにまとまったクラスとしての学ぶ力を,ここでは「クラス力」と呼ぶことにする。
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