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はじめに
前回述べたように,富山県看護教育機関連絡協議会(以下,看教連)の幹事には,参加校の設置主体や課程が異なっても,これまでの長きにわたる交流やネットワークを活用し,共に県内各施設の教員のレベルを向上させることで,富山県の看護教育を充実させたいとの強い願いがあった。県内の看護教員養成に関しては,県医務課を通じて養成所それぞれが各地の養成講習会に派遣し,受講終了後の育成は各養成所に任せられていた。
そのようななか,2011(平成23)年から2013(平成25)年までの3年間,富山県に隣接する石川県で看護教員養成講習会が開催されることになった。看教連幹事会は,同じ講習会を修了する教員が,毎年10名余り誕生することを知り,新人看護教員を含め専任教員を大切に育てる方策が必要ではないかと考え,幹事と各校の教員との研修会で,キャリア形成プログラムを作成することを決めた。当初,1年間で2日間の集中研修会の実施を考えたが,本当に利用できるものを作成するには時間が不足するであろうし,3日以上の日数の確保は困難であるため,2年間の継続研修として企画した。研修会参加者は,継続して参加することができる教員であること,教員経験3年以上であること,各学校必ず参加者を出すことを申し合わせた。また,1年目はキャリアプログラム作成,2年目は研修体系作成と大まかな目標を立て「富山県における教員のキャリア形成プログラムの作成」がスタートした。
当初順調と思われたプログラム作成は,参加者の合意を得ながら進めた結果,2年間の研修では研修体系まで作成することはできず,さらに1年間かけることになり3年間という月日を要した。富山県『専任教員キャリア形成プログラム』は,小規模の養成校が12校集まり,活用していく教員と幹事が合同で作り上げたということが,大きな特徴であり成果である。
今回は専任教員キャリア形成プログラム作成の過程を紹介する。
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