特集 基礎看護学を再構成する・2 看護の「基礎」を教えるとは?
「基礎看護学」において初めて看護に接する学生に伝えることとは?―看護学原論の取り組み
水戸 優子
1
,
加納 佳代子
1
1神奈川県立保健福祉大学
pp.76-82
発行日 2013年2月25日
Published Date 2013/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663102305
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はじめに─看護を学ぶのも「最初」が肝心
今どきの看護基礎教育の関心はどこに集まっているだろうと考えると,統合実習をどうするかとか,卒業するまでにどこまで看護実践能力を伸ばすかとか,どちらかというと教育のゴールに関する関心が多いように思う。しかし,基礎看護学に携わっている教員は,それも大事だけど,看護職を志望し質の高い学生を育成するのは,やはり「最初」が肝心なのであり,最初の看護の学びをどう構造化するかということに頭を悩ませているのではないだろうか。
というのも,最初の実習である基礎看護学実習に学生を連れていき,学生が学びや感想を述べると,多くの実習指導者は,「その学びをずっと忘れないでほしい」とか「私も初心の気持ちを思い出して,感動しました」というような言葉をかけてくださる。それぐらい学生が最初に学ぶ看護は本質的であり,看護師として働き出した後も「自分の看護の拠り所」になっていることが多いのだと思う。
今年度,筆者らは学生が入学して最初に看護学を学ぶ看護学原論を担当し,学生に何を伝えることで,看護への関心や動機が高まるのかを考える機会を得た。その取り組みについて紹介することにより,「最初に看護に接する学生に伝えること」を考えてみたい。
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