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「実習の経験知・育ちの支援で師は育つ」を読んで,自らのエピソードを語る
松岡 君代
1
1熊本保健科学大学保健学科看護学部
pp.1045-1047
発行日 2012年12月25日
Published Date 2012/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663102266
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回想
現在連載中の「実習の経験知・育ちの支援で師は育つ」を興味深く拝読しています。著者である新納氏が学生と関わるなかでの状況は,看護教育に携わる教員にとって,現実味のある現象ではないでしょうか。なかでも「問いかけの威力─“いい子仮面”がはずれるとき(本誌,Vol.53, No.7)」の文中において「ダメ出し」ではなく「ナゼ出し」の効果について記述された個所では,おのずと学生が「看護」に対する意識を表出する機会になることが描かれていました。新納氏自身,人間に対する洞察力に秀でた方のように思われます。
私自身,看護教育に携わり10数年が経過しました。6年間は進学課程の養成校でした。ここでは2年生を担当し,臨地実習では現場に常駐し指導にあたりました。また,この時期に自ら心して対応したことは,施設・病棟における人間関係でした。学生受入れに際してはありがたい出会いがありました。当時の看護部長,病棟師長として勤務されていた方々です。厳しい反面,実習がうまくいくように「先生,綺麗ごとはいいです。お互い本音で物をいいましょう」という言葉をかけていただいたものです。病院の設備をもたない養成校として非常に心強く,実習に臨む学生の緊張をほぐす確かな手がかりとなったように思います。
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