連載 学生の目 教員のまなざし・21
実習の可能性を信じさせる目
高田 貴美枝
1
1板橋中央看護専門学校第2学科
pp.747
発行日 2012年9月25日
Published Date 2012/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663102183
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- 文献概要
老年看護学実習では,老年期にある患者さまを3週間受け持ち,看護ケアをさせていただきます。急性期を過ぎリハビリ期にある患者さまを受け持つので,学生のケアによってさまざまな変化が見られます。脳梗塞の後遺症で発語ができない患者さまが,全身清拭のあと,「ありがとう」と言ってくださったり,寝たきりかと思われた患者さまが歩行訓練をするなど,感動の連続です。
日常生活援助を真剣に心を込めて繰り返し実施することで,患者さまが忘れかけていた日常生活行動を思い出し,セルフケア行動が拡大していく様子は,看護の楽しさや,やりがいを感じさせてくれます。実習はただ辛いものではなく,楽しいものだと感じ,看護の可能性を知ることで,学習意欲も高まります。患者さまのためにできることを,寝ずに考えられるのも実習だからできること。
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