特集 脳性麻痺児の生活指導
無限の可能性を信じ家族とともに歩む
伊藤 和枝
pp.832
発行日 1993年12月15日
Published Date 1993/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551103886
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1984年10月15日,私たちに三人目の子が生まれた.長男9歳長女6歳のときである.私の兄の突然の死がこの子を生む決心をさせ,苦しくても一歩一歩歩いていこうという思いを込めて歩美と名付けた.年の離れた兄姉・家族みんなで歩美を育てていく運命だったのかもしれない.
歩美はミルクののみが悪く,首すわり,注視が無く,やわらかい体でいつもうつろな目をして,まわりに全然興味を示さない子だった.検査をしてもどこも異常は無く,その結果に喜びながら,じゃあ歩美はどうしてこうなの?と思っていたとき「脳性麻痺ですね.」と医師から告げられた.私は歩美を抱きかかえ泣きながら白いカーテンをくぐった….歩美6か月のときである.それから訓練の日々が始まった.
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