第2特集 看護学生論文─入選エッセイ・論文の発表
エッセイ部門
痛みの体験を分かち合う
朝川 聖乃
1
1河北医療財団看護専門学校2年
pp.666-667
発行日 2012年8月25日
Published Date 2012/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663102153
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震災後,医療従事者を目指すものとして,何かしなければ,そして何をすべきなのか。考えては打ち消し,また考えては打ち消してきた。震災から4か月たった頃,テレビである番組を目にした。震災後,心のケアはなおざりにされ,物理的な復興ばかりが優先されている。最近やっと心のケアにも力を入れ始め,被災地から少し離れた施設で老若男女,あらゆる世代の人々が集まりグループ療法が行われているという内容だった。
一般的にグループ療法とは 同じ病気や体験,悩みをもつ人が集まり,医師・看護師・臨床心理士などと共にそれぞれの悩みを率直に話し,死による喪失から生じる深い心の苦しみの軽減,災害や事件後の恐怖や喪失感の軽減,人間関係の改善などに役立つといわれている。また,それだけではなく集団で話をすることは情報交換や,ストレス対処なども共有できるという。
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