特集 私はこうして学生と向き合ってきた─日々出会うさまざまな悩み
学生の態度・志向性編
学生の態度・社会性に課題があるとき
永田 真弓
1
1横浜市立大学医学部看護学科
pp.109-111
発行日 2012年2月25日
Published Date 2012/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101994
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お悩み ある学生がバイタルサイン測定に使用するダブルステートをナースステーションに取りにいくと,置き場の手前にあるPCに向かい,医師が電子カルテへの入力をしていた。学生は目の前の医師に何の悪気もなく「取ってください」と伝え,医師からダブルステートを受け取って,バイタルサイン測定に向かった。バイタルサイン測定終了後,再び学生はナースステーションに戻り,同様に医師に声をかけ,もとに戻した。さらに,実習最終日にはグループの他の学生とともに,教員や実習指導者が常にそばにいて見張られているように感じたことや学生間の体験を共有し合うカンファレンスが少ないなどの教育体制に対する批判・不満を攻撃的な態度で若手の実習指導者と教員に伝えてきた。
別の例になるが,前日のカンファレンスのあとに表情の硬かった学生から,朝,「めまいと倦怠感があり,実習に差し支えるため本日は休みます」というメールがあった。「受診をして,その結果を教えてください」といった主旨の返信をしたが,午後になっても返事がない。心配になり自宅に電話を掛けたところ,母親が電話口に出たが「もう出ました」と言われ,どこかで倒れているのでは……と,本人の携帯に電話やメールをするが返事がない。夕方になってようやく連絡もとれ,本人の無事が確認できたのはよかったが,実習に臨む姿勢や連絡の重要性の理解など,学生の社会性の欠如を感じる事例であった。
態度や社会性に課題のある学生に対して,どのように指導すればよいのだろう。
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