第2特集 看護学生論文―入選エッセイ・論文の発表
論文部門
看護学生が感じる卒業後の技術不安
阿部 広子
1
1渋川看護専門学校
pp.642-645
発行日 2011年8月25日
Published Date 2011/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101841
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はじめに
近年,医療の高度化,複雑化,医療安全の強化,患者の人権擁護の高揚に伴い,看護師はこれまで以上に確かな技術を求められている。また,限られた実習時間,患者の安全確保と人権への配慮に伴う看護技術の体験機会の減少により,新人看護師の看護実践能力の低下が指摘されている。
こうしたなか,看護をめぐる現状と課題の検討において,2007年4月にカリキュラム変更がとりまとめられた。習得単位数の増加や,卒業後の技術到達度を明確にするべく,より臨床実践に近い形で学習し,知識,技術を統合させるため統合分野を設けている。しかし,私たちは旧カリキュラムであるため,実際には臨地実習での具体的な医療行為を行う機会が少なく,臨床と懸け離れている。本谷ら1)は,「新人看護師は,入職時にできる技術は限られているが,求められている技術は多い現状にある」と述べている。このことから卒業後,すぐに医療行為や具体的な技術が必要とされる場面が予測され,卒業時の技術に不安が残っている。今回,看護学生が,どのような技術に不安を感じているのかを明らかにし,卒業前の自主的な技術練習への取り組みにつなげたいと考える。
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