特集 模擬患者を取り入れた教育を見直す Part 1 模擬患者は何を学んでいるのか
模擬患者教育を楽しく的確に
福井 みどり
1,2
1ライフ・プランニング・センター
2健康教育サービスセンター
pp.516-519
発行日 2011年7月25日
Published Date 2011/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101800
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ライフ・プランニング・センターにおける模擬患者とは
ライフ・プランニング・センター(以下,LPC)は,1973年に現聖路加国際病院理事長日野原重明により「一人ひとりの健康づくりとより良い医療の実現」を目指し設立された財団です。1970年代,医師やナースの継続教育がまだ一般に導入されていない時に海外から講師を招聘し,さまざまな新しい医療の知識と技術の普及に努めてきました。また,一般市民の『自分の健康は自分で守る』をモットーに健康教育を展開し,血圧の自己測定ボランティアや病院やホスピスで活動するボランティアの育成も手掛けてきました。
1975年,LPCは「模擬患者参加による教育法」にいち早く着目し,カナダのマクマスター大学教授のハワード・バロウ先生をLPC国際フォーラムに招聘し,日本の医学看護教育に模擬患者(Simulated Patient : SP)の概念とその活用「模擬患者参加による教育法」を紹介しました。第2回目の模擬患者に関してのワークショップは1992年に米国マサチューセッツ大学のポーラ・スティルマン教授を招いて行い,この時初めて「標準化患者(Standardized Patient)による教育法」とのテーマでワークショップを行いました。このように模擬患者と模擬患者参加による教育法を日本に最初に取り入れ,普及に力を入れたのが当財団での国際ワークショップでした。そのような経緯から当財団が目指す模擬患者は「教育のツール」に徹することが原点となっています。良い医療を目指すために一市民として医学生や看護学生,医療従事者などの「教育のツール」として役に立つことを何よりも大切にしています。
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