特集 男が看護を学ぶこと
男性看護師に期待される役割は変わったか―学生として,臨床・施設管理職として,教員として
百田 武司
1
1日本赤十字広島看護大学看護学部
pp.279-283
発行日 2011年4月25日
Published Date 2011/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101724
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はじめに
私は,看護は看護師個人の資質が問題であって,性別による本質的な差異はないと考えます。しかしながら,この考えに至るまでには,私自身が看護師として経験するなかで紆余曲折がありました。特に学生時代には,女性が大多数を占め,なかば女性の職場として定着しているようにみえる看護職に男性が入っていくことには,さまざまな問題があるのではないかと考えていました。そこで,学部の卒業研究として「男子看護者のかかえる問題」というテーマに取り組んだのでした。その一部は1998年の『看護学雑誌』に掲載されました1)。
今,読み返せば拙い論文で非常に恥ずかしいものですが,それから13年(調査実施からは15年)が経過し,男性看護師の数は確実に増加しました。さらに,2002年に名称が「看護士」から「看護師」に性別に関係なく使用できるものに改正されるなど,男性看護師を巡る状況は変化してきています。
本稿では,私の経験を振り返り,男性看護師の変遷と意見を自由に述べてゆきます。
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