連載 Mail from USA 『JNE』を読み,世界の看護教育の流れを知る・23
ビジュアルアートと看護教育
杉本 敬子
1
1イリノイ大学看護学研究科博士課程
pp.256-257
発行日 2011年3月25日
Published Date 2011/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101716
- 有料閲覧
- 文献概要
●【主な論文】「看護の視点:看護教育にビジュアルアートを利用すること」から
今回の『JNE』の記事は,ラッシュ大学の教育の一例を紹介したものです。この大学は,私の学んでいるイリノイ大学シカゴ校や,アメリカの医療ドラマ『ER』の撮影に使われたクックカウンティー病院などとともに,シカゴの大きな病院が隣接する“メディカル・ディストリクト”と呼ばれる地域にある私学の名門です。その看護学部では,内科系・外科系看護学実習の仕上げとして,本物のビジュアルアートの鑑賞を取り入れているのだそうです。この実習の目的は,タイトルにもあるように,看護の視点についての学びを深めることにあるようです。実習の舞台は,シカゴ都心部にあるシカゴ美術館です。アメリカ3大美術館の1つに数えられる施設で,さまざまな教育機関に貢献をしています。今回の実習は,“The discerning Eye(洞察力のある目)”という名称で,美術館と看護学部とのコラボレーションによって行われています。
鑑賞する芸術作品の情報は,事前には学生には知らされず,美術館教育の助監督である講師の導きで,作品から学生一人ひとりが感じた印象を学生間で共有し合います。そして,その後,教材となった作品について講師がレクチャーし,学んだことを臨床実習にフィードバックしたレポートにまとめ,講師と看護教員に報告します。この記事には,4つの絵画と1つの彫刻作品を活用した例が,説明されています。
Copyright © 2011, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.