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書評 ―『新看護観察のキーポイントシリーズがん看護・緩和ケア』―がん看護は観察に始まり観察に終わる
荒川 唱子
1
1福島県立医科大学看護学部
pp.235
発行日 2011年3月25日
Published Date 2011/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663101712
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がん看護に限ったことではないが,看護過程を展開する際,最も大切なことはナースの五感を使って行う看護観察であることに異論はないであろう。本書の帯には,「がんの病期や治療に関する知識とともに予防期から終末期までの観察ポイントをまとめ,がん患者・家族のケアに必要な視点を集大成」したこと。また,観察の方法やコツ,観察したことの意味や危険の予測,対応すべきことなど,ナースにとって実践上の問題解決のヒントが満載されていると書かれてある。
筆者が本書を読み進めて思うのは,この帯に書かれていることが内容を如実に表わしていること,それも読めば読むほどその思いは強くなった。監修者や編集者がどのように観察をとらえているのかや,どのようにがん看護を実践してほしいと考えているかがわかってくるにつれ,執筆に協力された30数名の著者たちによくぞここまで整理されました。これらを参考にがん看護の実践に向けて努力して参ります,と言いたい心境に駆られた。
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