母性保健特集講座 正常産褥
産褥の観察と看護
村岡 八千代
1
1神奈川県立母子保健センター
pp.14-20
発行日 1964年8月1日
Published Date 1964/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611202801
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母性の保健を考えるとき,いかにその産褥期の適正な生活が必要であるかということは,いまさら言をまたないところです.しかし実際上褥婦はどんな生活を送り,どれだけ産褥にふさわしい保健生活を営んでいるか,細かくみてゆくと,寒心に堪えない事実にしばしば遭遇するものです.ひるがえってそれはとりもなおさず保健指導の不徹底と,現在の保健指導体系が実生活と遊離しているという弱さのためではないかと,考えさせられるのです.こういう実態の中で充分な保健指導を行なうための観察と看護について述べてみたいと思います.ただこのことについてすべてを記すには到底紙数の許す範囲ではありませんので,産褥日数に応じてその主なものを取りあげてゆくに止めます.また産褥看護の目標は,何といっても①産褥復古の助成と,②感染防止,③乳汁分泌促進ということですが,褥婦の心理に応じた看護ということをどの項目についても附してのことであります.以上の目標に沿った観察と看護について,分娩直後から取りあげてゆきたいと存じます.
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